#4 ICE CREAM SODA

Ice cream soda
Miyamoto Yuriko
Nobuko

This method of drinking ice cream soda
was passed down to me by an old man in the West.
It will bring back a little brightness to your sinking feeling.

アイスクリームソーダ
宮本百合子
「伸子」

西洋のお爺さん伝授の飲み方で飲むアイスクリームソーダ。
沈んだ気持ちに少しだけ明るさが戻ります。

How to use this page
1.Read the text (JP) 2.Take a look at the notes 3.Enjoy the quiz at the end

出典:青空文庫📖「伸子 宮本百合子
宮本百合子「伸子」図書カード」「宮本百合子「「伸子」について

使用した音素材
ジングル:OtoLogic(https://otologic.jp) BGM:DOVA-SYNDROME-Vanilla by おしょう
さん

1.鑑賞のタスケ 「伸子」

読書は人によって、読み方や感じ方、受け取り方も違います。
わたしはこのように読みました。皆さんはどのように読みますか。

 トークの流れ&キーワード 1)-1:25   

1)伸子の「アイスクリームソーダ」
  ▶資生堂のアイスクリームソーダ
   ・現在でも銀座の資生堂パーラーで飲める
    〈様子〉細長いグラスに黄色いソーダが注がれて、
        上に白いバニラの?アイスクリームがちょこんとのっている。
        品がよくて、かわいらしい。
   ・「クリームソーダ」といえば、緑色の飲み物を想像する人が多いんじゃないか。

   ・日本に帰ったら、飲みに行ってみたい。
 

 トークの流れ&キーワード 2)1:25-4:00   

2)「伸子」について
 「伸子」
  ▶長編小説、伸子(のぶこ、19歳、20歳くらいの女の子)が主人公。
  ▶佃(つくだ)さんとの話、男性、佃さんとの年の差は15歳くらい。

  ▶アイスクリームソーダまでの話の流れ
   2人のニューヨークでの出会い
   →伸子の日本帰国
   →伸子の実家での話→佃さんの合流(ごうりゅう)
   →佃と伸子の家族との同居生活
   →東京・吉祥寺(きちじょうじ)での二人暮らし
   →赤坂への引っ越し
   →アイスクリームソーダの場面、一場面(いちばめん)

  ▶ ×軽い楽しいロマンチックなラブストーリーではない
    男女の話
    佃さん・・・誰もが反対する、快(こころよ)く思わない、
          誰にもおすすめされない
    伸子「一緒にいるのは自分です。自分がよければいい。」
        →<関係を進展させる>恋人関係になる、結婚する
                   ←焦点(しょうてん)✕

   2人の関係の中で佃に対する伸子の心の動きが
   細やかにしっかり描かれていて面白い

  【100年前に書かれた小説】
   ・伸子が着物を着る、電話をかけに郵便局に行く
    関東大震災(かんとう・だいしんさい)
 
    →時代の違いを感じる

   ・伸子の気持ちが深く描かれる
    →昔のものを読んでいるという感じはなかった。
    →伸子に共感する部分が多かった。
  

 トークの流れ&キーワード 3)4:00-5:40   

3)アイスクリームソーダまでの2人のこと

【今回の文章(ぶんしょう)の最後のところ】
 電車に乗った伸子が
  窓から日本的な美しさに満ちて見える濠端(ほりばた)の景色を見ていた。

  濠端(ほりばた)
  ・・・堀(ほり)「城の周りなどにある土を掘(ほ)って、水をはったところ。」
          「人が作った貯水池(ちょすいち)、水を貯めるところ」の そば。

   文章中の「濠端(ほりばた)」
    →地理的(ちりてき)に考えて
     皇居(こうきょ)のお濠端(ほりばた)のことか??

 「重い」石垣(いしがき)、芝生(しばふ)、「鬱蒼と緑濃い」老松
  ・・・重くて暗いものをイメージさせる 
  
  →伸子の沈んだ心持ちには快適だった。  


 Q.(伸子の)重い暗い心持ちはなぜなのか。

    

 トークの流れ&キーワード 4)①5:40- ②6:40-9:30   

4)重い暗い心持ちはなぜなのか。

①佃さんとお母さん
 伸子の実家での暮(く)らしの中で・・・
  佃さんと伸子のお母さんの関係が上手く行かなかった。
                 良い関係が築(きず)けなかった。
 〈どうして?〉
  ・佃はいつも自分の部屋にいる。

  ・ご飯の時間になると部屋から出てくる。
  ・一番最後に食卓(しょくたく)につく
 
  ・食べると一番先に「失礼します」と言って、部屋に戻っていく

 →お母さんはそれが気に入らなかった。
  理由 「結婚したのに家族っぽくない」


②伸子の私小説
 二人暮らしを始めて・・・
   伸子は小説を書く。私小説(ししょうせつ)みたいな小説。

   私小説(ししょうせつ)・・・漢字「私の小説」
                 自分が直接体験したことが
                  小説の素材(そざい)・素(もと)になっている。
                 小説の1つのスタイル
                 大正後期から多く書かれた。

   「伸子」の初出(しょしゅつ)が1924年(大正13)
    ・「伸子」も作者・宮本百合子さんの私小説。
              宮本さんの(私)小説「伸子」の中の私小説
              私小説の中の私小説
              (鏡の中の鏡みたいに
                 どこまでもどこまでも続いていけそう。)

    伸子の私小説の中でお母さんのことがあまり良く書かれていない。
      主人公(しゅじんこう)・女の母親が
        主人公の夫に敵意(てきい)を持っている。

    伸子のお母さん→伸子
      「これ佃さんに書けって言われたんでしょ??」
    伸子→伸子のお母さん
      「そうじゃない。佃さんに言われていない。」

    お母さんに信じてもらえない。

    お母さん→伸子
     「もう縁(えん)を切ります!」
      (「もう一生(いっしょう)会いません」「もう話しません」)

    佃(その場にいた)
     「では、やむを得ませんから、どうぞお体を大切に」
      (しょうがないですね。じゃあ、お元気で。)
    
    ★私(ええええええ、佃さん、そりゃないよ~)
      佃さんは、登場人物に嫌われている、良く思われていない
      でも、伸子の視点(してん)で描かれている
         →私(そうはいっても、佃さんは不器用な人なんだよ。)
           →佃(嫌な感じで見ていなかった。)

   お母さんも伸子も相当(そうとう)びっくりだったのでは??

 トークの流れ&キーワード 4)③ー1 9:30-    

4)重い暗い心持ちはなぜなのか。
③半年ぶりの再会
 1.それから、半年間佃は伸子の実家に連絡をしなかったが・・・

   ・ある日、佃の父が東京に遊びに来る。
    「自分の父に伸子の家族に会わせたい」
     →伸子の実家に 伸子に相談せず 電話をかけてしまう。
      その時は、誰も電話に出なかった。

   ・電話をかけたことを伸子に知られる。
    佃→伸子
     「父を連れて伸子の家族に会いに行ってもいいか」と
      伸子の両親に 聞いてもらうことにした。

   ・伸子は実家に電話をかける(気が進まないけど)
      両親「それはいいけど、佃のお父さんを連れてくる前に
          一度(私たちに)顔を見せるのが筋(a)じゃないか」
        ・半年前のわだかまり(b)がある状態
         
        a.筋(すじ)・・・本来の流れ
        b.わだかまり
           ・・・人との関係の中で、
              あるときにできた良くない気持ちのかたまり
   
   ・伸子「どうする?別に行かなくてもいいんじゃない?」
     佃「伸子のために会いに行く」(意味不明!)

     ★私の思ったこと
      伸子のためじゃなくて、自分のためなのに何?
      何かにつけて佃さんからは「あなたのため」ということばがよく出てくる。
      「愛していますから!」って。

      この小説を読んで「あなたのために」ということばが
         全然ステキなことばじゃない!と思うようになった。

      自分のする、その何かの目的・理由を わたしに しないで!
      私がいなかったら、じゃあ、あなたは どうしたいの??

      しかも、全然そうじゃない。
      伸子は行かなくてもいいって言っている。

 トークの流れ&キーワード 4)③-2 12:35-16:10   

4)重い暗い心持ちはなぜなのか。

③半年ぶりの再会
 2.伸子の両親に会いに行く・・・

   ・伸子の両親に会って
     佃は泣きながら・・・ 
       「自分は5歳で母を亡くした。」
       「伸子の両親には自分の本当の親のように愛され愛したい。」
       「それを楽しみにしていた」
       「上手く行かなくて、くやしい・もどかしい」と 伝える。
  
    〈それを聞いた伸子と両親のようす〉
        伸子・お父さん・・・涙を流した。
        お母さん・・・・・・・心を許した感じになった。

       —生い立ち(おいたち、大人になるまでどうやって育ったか)
            にも同情する。
        不器用な人だったんだ。
        自分たちのことはそんな風に思っていてくれたんだ→うれしい

   ・家に帰ってきて
     伸子がぞっとするようなことが起こる。

     佃が、思い出しながら、楽しむように言った。
       「やれやれ、これでやっとすんだ(終わった)」
       「お父さん、泣いていたな。お母さんは泣いていなかったけど」

     伸子はそれを見た。
       「ぞっとした。」
     

   ★私の気持ち
     わたしも全く同じ気持ちを感じた。ぞっとした。
     友だちだったら、伸子ちゃん今すぐ別れてって言いたい。
     佃さんは、本当に人の気持ちが分からない人?
           OR 分かってやっている??      
           質(たち)が悪すぎる。


 「感傷劇(かんしょうげき)」の後
            伸子 →→→ 佃は「泣いて」言う
    「距離を置きたい」      「距離を置くくらいなら別れましょう」         

  伸子・・・落ち着かない、変な気持ち
    →あの実家での出来事がある。
     この目の前で泣いているのも芝居(しばい)を見せられたように感じてしまう。
      

 トークの流れ&キーワード 5)16:10-   

5)伸子の心持ち

 アイスクリームソーダの話
  保(たもつ)くん:伸子の弟、14歳、中学生?

 -無邪気で軽やかで楽しい場面 
   ・三越の旗が青空にパタパタ翻(ひるがえ)っている
   ・保とアイスクリームソーダを飲んで、ふざけ合って、笑っている。
 
  →前の場面とのコントラストにもなっている。
   (佃との)日常で悶々(もんもん)としている中で、
   弟・中学生の弟、自分にとって気を遣わなくていい相手と過ごす楽しい時間
 
 ▶それを象徴するのが、
  日本的な美しさに満ちて見える濠端(ほりばた)の景色の中にある
  「透き通った明るい西空」
  「広やかに曲折した水の明るい・ゆったり・自由な」イメージ
  =弟との楽しい時間

  これが 
   「❶表にだけ明るさの漂う、❷沈んだ心持」
    ❶保くんとのアイスクリームソーダ
    ❷佃さんとのこと
 
 ◎まとめ
   家に帰る、佃のもとに帰る電車の中で
   保と過ごした明るい時間、自分の心の中の佃へのどんよりした感情 
 
     窓から見える風景の描写で表されている。
 
    


2.レトワル店主の 感想  

好き度 ★★★★★
伸子の沈んだようすと保との明るい黄色いアイスクリームソーダのコントラストが絶妙!

  感想はここをクリック!    

「伸子」という長編小説の一部です。自伝的小説といわれていて、本文に出てくる「三越」「資生堂」「ライオン」は実在します。資生堂のホームページで伸子と保が飲んだ「黄色のアイスクリームソーダ」がどんなものか見られますよ。

わたしも誰かと一緒に行って、この場面のようにちょっとふざけてみたくなりました。「知ってる?このアイスクリームソーダには通の飲み方があって、ストロー2本を使って片方で泡立てながら飲むんだってよ」って言ってみたい。もちろん、チャレンジの瞬間にタネを明かすつもりです。


3.たのしい クイズの 時間

1問目 伸子の買い物について。①どこで? ②何を? 買いましたか。③買い物にかかった時間はどれくらいですか

 解答例   

①三越
②佃(つくだ)の旅行(出張)のために必要なもの 
③1時間ぐらい

2問目 アイスクリームソーダについて。それを飲んだ店は①どこにある?②店の名前は?
 解答例   

①銀座
②資生堂

3問目 アイスクリームソーダのために二人でストローを何本使いましたか

 解答例   

4本

4問目 ①伸子はどんな飲み方で飲めと保に言いましたか。②保はそれをどう思いましたか

 解答例   

①ストローを2本使って、一本のほうを吹いて泡を立てながら、もう一本のほうで飲む。
②変だと思った。

5問目 伸子はいつこの飲み方を誰に教わりましたか

 解答例   

いつ?ーずっと前 
誰に?ー西洋のお爺さん

6問目 「沈んだ心持」とありますが、その原因は何だと思いますか。それが書かれている箇所の最初と最後の5文字(句読点を含む)を答えなさい

 解答例   

佃は、勤め~気がした。

7問目 この日、伸子と保のお出かけルートは「三越→銀座(資生堂)→保(上野行)→伸子(ライオン前から電車)」である。〇か✕か

 解答例   


4.漢字に チャレンジ!

印象に残った文章を抜き出しました!☕
漢字の練習をしたり、言い換えの文を作ったり、
先生に合わせて声に出して読みましょう!

1)関西へ出張することになった。短い旅行のために入用なものが、ちっとも揃っていなかった。

2)また赤坂へ帰るとおそくなるだろうから―じゃあ少し銀座でも歩こうか

◎提案ー今これからのこと。あることをすると良くない。だから、違う案を出す。
【あることをする】と、【良くない結果(辞書形/ない形)】だろうから、
じゃあ、【提案すること】V意向形・ようか。/ましょうか。

 例文   

1)今からハンバーグを作ると、晩ご飯の時間に間に合わないだろうから。じゃあ、今晩はチャーハンにしようか。

2)夜は雨が降ると言っていたし、今ジョギングに出ると、雨に濡れてしまうだろうから、じゃあ、今日は家でゆっくりしましょうか。

3)この仕事、これからスタートする/手をつけると、どうやっても今日中に終わらないだろうから、急ぎじゃないし、じゃあ、明日にしましょうか。

3)保は、何の気なく、「ふうむ」 二本一度に唇へ当てがおうとしたが、「やあ! 怪しいぞ、怪しいぞ」と手を放した。

◎出来事—目の前の人が、あることをやりかけていたけど、理由を言ってやめたことを描写する
①【だれ】は V意向形としたが/けど、
②【言ったこと】と(言って)
③【やめた】

 例文   

1)山本さんは「また、明日!」といって出て行こうとしたけど、「あ、忘れ物した」とデスクに戻ってきた。

2)マイクさんは「今日こそは食べるぞ!」と威勢(いせい)よく、納豆を口にいれようとしたけど、「匂いがやっぱ無理!」と箸を置きました。

山田さんは西本くんに長文のラインを送ろうとしたけど、後で会うから会ったときに言うわ、めんどくさと、書きかけのテキストを全部消した。

4)伸子は、コップから溢れるほど、ソーダの泡を立てて見せた。

5)さっきからの名残りで、表にだけ明るさの漂う、沈んだ心持に、この眺めは快適であった。


参考資料

🔗三越伊勢丹ホールディングス「三越のあゆみ

・・・銀座にも三越はあるが、「伸子」の初出は1924年、銀座三越は1930年に誕生しており、「伸子」のほうが早いため、1924年には既に開店していた日本橋本店に行ったのだと考える。

🔗資生堂パーラー「資生堂パーラーの歴史」第1章
・・・本文で「黄色の液体」と描かれるアイスクリームソーダの画像が見られる。

「伸子はライオンの前から電車に乗った」とあるが、当時、資生堂パーラー周辺の「ライオン」は銀座尾張町角の「カフェーライオン」と日本橋三越本店の「ライオン像」。

🦁1🔗サッポロライオン「サッポロライオン沿革」明治44年(1911)8月10日 銀座尾張町(現在の四丁目)角に「カフェー・ライオン」開店
🦁2🔗日本橋三越本店「ライオン像」1914年

「カフェー・ライオン」があった銀座尾張町には路面電車の停留所「銀座四丁目停留所」があったとみられる。日本橋三越本店・ライオン像付近の停留所については未確認。

2021.8

caffe for the teacher

After a pocket lesson, I sometimes take a break with teacher for a cup of coffee☕

$1.00

©2021-2026 YOSHIDA TO NIHONGO