第5課 猫をかぶる

第5課 猫をかぶる

❶「猫(ねこ)をかぶる」本当(ほんとう)は違(ちが)うのに、大人(おとな)しく静(しず)かな、かわいいネコのイメージになること。

❷「名詞(めいし)・(人(ひと)の性(せい)質(しつ)を表(あらわ)す)形容(けいよう)詞(し)」に「ぶる」をつけると、そのイメージになってるっていう意味(いみ)になる!

1.猫(ねこ)の エミちゃん

❶かわいさ

声(こえ)がかわいい、ピンクの首輪(くびわ)がかわいい、体(からだ)が小(ちい)さい、もう8ヶ(はちか)月(げつ)、ちょこんと座(すわる、
大人(おとな)しい、目(め)と鼻(はな)の周(まわ)りが黒(くろ)く縁取(ふちど)った模様(もよう)、表情(ひょうじょう)が愛(あい)くるしい
)()))

❷本当(ほんとう)の性格(せいかく)、本性(ほんしょう))

凶暴(きょうぼう)?こんな静(しず)かにしていない、右(みぎ)に左(ひだり)に上(うえ)に下(した)に飛(と)び跳(は)ねる、すっごい元気(げんき)

まるで毎日まいにちが祭まつりのようだ、夜中よなかにもニャオニャオなく、ペンにじゃれついてくる

2.猫が「猫をかぶる」??

猫をかぶる〈慣(かん)用(よう)句(く)、idioms〉

本当(ほんとう)の強(つよ)い性格(せいかく)を隠(かく)して、誰(だれ)かの前(まえ)では、静(しず)かに大人(おとな)しくなること

かぶるもの:帽子(ぼうし)をかぶる、かつらをかぶる、毛布(もうふ)をかぶって寝(ね)る、アイス・バケツ・チャレンジでは、頭( あたま)から氷水(こおりみず)をかぶる など

Sが (どこ)に (なに)を かぶる〈動詞〉
⇒頭(あたま)や顔(かお)の上(うえ)とか、体(からだ)全体(ぜんたい)に何(なに)かを載(の)せたり、何(なに)かで覆(おお)ったり、何(なに)かを浴(あ)びたりという意味(いみ)を表(あらわ)す動詞(どうし)

猫の一般的(いっぱんてき)なイメージ?

かわいくてエレガントな感(かん)じ。柔(やわ)らかい、優(やさ)しい、少(すこ)しわがまま
自由(じゆう)気(き)ままなイメージ、好奇心(こうきしん)旺盛(おうせい)、きまぐれ、たまにつれない

飼(か)ってみたら・・・

猫はすごく頭(あたま)がいいし、愛情(あいじょう)深(ふか)くて、甘(あま)えん坊(ぼう)だった。
全然(ぜんぜん)私(わたし)のそばから離(はな)れない、辛(つら)いときもずっとそばにいてくれる。

「猫をかぶる」=猫の一般的(いっぱんてき)なイメージ
「大人(おとな)しくてかわいい」イメージをかぶる(になる)

◎ほんとうは元気(げんき)いっぱいのネコ
⇒他(ほか)の人(ひと)の前(まえ)では、ネコのイメージ通(どお)りの「かわいい」ネコになる
⇒それは「猫が猫をかぶる」だ!!

3.「裏表(うらおもて)がある」=「人見ひとみ知しり」=「猫をかぶる」?

1)裏表(うらおもて)

・裏表(うらおもて)は「悪(わる)い」と「良(い)い」って感(かん)じ

・「森田もりたさんには、裏うらがある」森田もりたさんには何なにか秘密ひみつがある

◎かわいい方(ほう)を「表(おもて)(良(い)い)」で、本性(ほんしょう)のほうを「裏(うら)」っていえば、
 あの人(ひと)、裏表(うらおもて)があって、猫をかぶってるっていうことはできる!!

2)人見(ひとみ)知(し)り

初(はじ)めての人(ひと)と話(はな)すのが苦手(にがて)で、最初(さいしょ)は本当(ほんとう)の自分(じぶん)を出(だ)せなくて、すごく静(しず)かに大人(おとな)しくしてる。だから、あまりしゃべらない人(ひと)だと思(おも)われちゃう。慣(な)れてくれば、冗談(じょうだん)を言(い)ったり、笑(わら)ったりできるんだけど。これ、猫かぶってるかな??

⇒単(たん)なる人見(ひとみ)知(し)り

◎猫をかぶる人(ひと)は、自分(じぶん)をよく見(み)せる目的(もくてき)がある。
 気(き)に入(い)ってもらいたいから、かわいく大人(おとな)しくする。⇒日本(にほん)っぽい考(かんが)え??

4.自分をよく見せたいとき

・日本(にほん)では「猫をかぶる」という言(い)い方(かた)があるように「かわいく大人(おとな)しく」する。
(もちろん、そうじゃない人もいます!)

・国(くに)によっては、自分(じぶん)の意見(いけん)をはっきり言(い)えてこそ、一人前(いちにんまえ)の大人(おとな)だと認(みと)めてもらえるところもある。→猫🐈じゃない!!

・ハリナさん「言葉(ことば)に注意(ちゅうい)して、相手(あいて)に対(たい)して言(い)わなくていいことをいわない」ようにしている。→猫🐈じゃない!!→それは・・・やぶへび🐍と貝(かい)🐚かな??

藪(やぶ)をつついて蛇(へび)を出(だ)す🐍〈慣用句かんようく〉草(くさ)がたくさん生(は)えている「藪(やぶ)」をつついたら、蛇(へび)が出(で)てきた→しなくてもいいことをわざわざして、悪(わる)いことが起(お)きたという意味(いみ))

貝(かい)のように黙(だま)る🐚・・・何も言わない、貝(かい)の口(くち)って「んぐ」って閉(と)じている

「貝(かい)をかぶる」→この言(い)い方(かた)はない!でも、2人は新(あたら)しいことばを作(つく)って遊(あそ)んでいます。

5.エピソード

▶同僚(どうりょう)のこと・・・
仕事(しごと)のときに、全然(ぜんぜん)好(す)きじゃないような、でも、仕事(しごと)のための大事(だいじ)な人(ひと)とは、嫌(いや)な気持(きも)ちを隠(かく)して、猫をかぶって、話(はな)しますよ。でも、裏(うら)では悪口(わるぐち)を言(い)ってる。

◎日本(にほん)でもその話(はなし良(よ)く聞(き)く。職場(しょくば)で猫かぶってもう疲(つか)れましたっていう話(はなし)。万国(ばんこく)共通(きょうつう)。()

▶友(とも)だちのこと・・・

焼(や)き鳥(とり)(を)食(た)べに行(い)った。カウンターがメインの小(ちい)さい店(みせ)で友達(ともだち)と横(よこ)並(なら)びに座(すわ)って、とにかくあれもこれもと注文(ちゅうもん)した。そうしたら、その後(あと)すぐ、超絶(ちょうぜつ)イケメンが店(みせ)に入(はい)って来(き)て、友(とも)だちの隣(となり)の席(せき)に座(すわ)った。

「うわぁ、横顔(よこがお)もめちゃくちゃかっこいい!」って思(おも)ったけど、カウンターは距離(きょり)が近(ちか)いし、絶対(ぜったい)相手(あいて)に聞(き)こえちゃうから、何(なに)も言(い)えなかった。「まあ、後(あと)から話(はな)せばいいや」と(思(おも)って)、「とにかく今(いま)は食(た)べなきゃ!」って(思(おも)って)皿(さら)に並(なら)んだ焼(や)き鳥(とり)(を)食(た)べ始(はじ)めた。

(イケメン(を)見(み)ながら焼(や)き鳥(とり)(が)食(た)べられるなんて、イケメン好(ず)きにとっては、よだれが止(と)まらないシチュエーション!)

そうしたら、友(とも)だちが(焼(や)き鳥(とり)を)3(さん)本(ぼん)くらい食(た)べたところで、お腹(なか)いっぱいになっちゃった~って(言(い)って)、急(きゅう)に猫かぶってびっくりしたことがあった。本当(ほんとう)はすっごく大(おお)食(ぐ)いのくせに!

しかも、猫(ねこ)なで声(ごえ)(※)で「これ、食(た)べてくれませんか~」って、私たちのところに来(き)たばかりのアツアツの焼(や)き鳥(とり)の皿(さら)をイケメンに差(さ)し出(だ)して言(い)った。一緒(いっしょ)にいるわたしがお酒(さけ)も飲(の)んでいないのに、顔(かお)が真(ま)っ赤(か)になって、顔(かお)から火(ひ)が出(で)そうになった。
※やさしくて甘(あま)い感(かん)じの声(こえ)。猫(ねこ)がかわいがられたときに出(だ)すような声(こえ)。

「お願(ねが)いだから、それ以上(いじょう)バカなことしないで~」って、心(こころ)の中(なか)で叫(さけ)んだ・・・。 あの友(とも)だち、イケメン好(ず)きの猫かぶりにはずいぶん困(こま)らされた!

◎そういう女性(じょせい)も世界(せかい)共通(きょうつう)かも!!

6.男の人も猫をかぶる??

基本的(きほんてき)には女性(じょせい)に対(たい)して使(つか)う意味(いみ)と変(か)わらない。
猫の「かわいい」というイメージをかぶるんじゃなくて・・・

◎男(おとこ)として見(み)られたいとき、良(い)い人(ひと)として見(み)られたいとき、本当(ほんとう)の自分(じぶん)を隠(かく)して、いいイメージに見(み)せようとすることに「猫をかぶる」と使(つか)っていると思(おも)う。

Q.ヤンキーマンガとかで、本当(ほんとう)は優(やさ)しい真面目(まじめ)な男(おとこ)の子(こ)なのに、事情(じじょう)があって、強(つよ)く悪(わる)いヤンキーに見(み)られたくて、そういう風(ふう)に振(ふ)る舞(ま)うことも猫(ねこ)をかぶっているって言(い)える?逆(ぎゃく)の意味(いみ)になっちゃうけど。

A.ちょっと変(へん)な感(かん)じする。
そんなとき、ヤンキーぶる、ヤンキーぶってる(本当(ほんとう)はヤンキーじゃないのに)
悪(わる)い人(ひと)ぶる、悪(わる)い人(ひと)ぶってる(本当(ほんとう)は悪(わる)い人(ひと)じゃないのに)
⇒「名詞(めいし)・形容(けいよう)詞(し)」に「ぶる」をつけて、1グループの動詞(どうし)として表現(ひょうげん)することもできる。

7.「名詞(めいし)・(人(ひと)の性(せい)質(しつ)を表(あらわ)す)形容(けいよう)詞(し)」+ぶる

▶プラスの意味(いみのことばにつくと・・・)

良いい人ひとぶる
(本当ほんとうはそんなに良いい人ひとじゃない)
真面目まじめぶる
(本当ほんとうはそんなに真面目まじめじゃない)

▶マイナスの意味(いみのことばにつくと・・・

ヤンキーぶる、ヤンキーぶっている
(本当ほんとうはヤンキーじゃないのに)
悪わるい人ひとぶる、悪わるい人ひとぶっている
(本当ほんとうは悪わるい人ひとじゃないのに)

◎~ぶる・・・本当(ほんとう)はそうじゃない。ぶっているだけ、そのイメージになってるだけ。これは「猫をかぶる」と共通(きょうつう)する。「ぶる」と「かぶる」の漢字(かんじ)は違(ちが)うが、「ぶる」の音(おと)は同(おな)じだから、覚(おぼ)えやすい。

8.まとめ

❶「猫(ねこ)をかぶる」本当(ほんとう)は違(ちが)うのに、大人(おとな)しく静(しず)かな、かわいい猫のイメージになること。

❷「名詞(めいし)・(人(ひと)の性(せい)質(しつ)を表(あらわ)す)形容(けいよう)詞(し)」に「ぶる」をつけると、そのイメージになってるっていう意味(いみ)になる!